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セッション内容

チベット医学とは

チベット医学は、インドのアーユルヴェーダや中国医学、さらには古代ギリシャのユナニ医学の要素も取り入れながら、長い歴史の中で独自に発展してきたチベットの伝統医療体系です。
ヒマラヤ特有の仏教以前の思想と仏教思想の双方を併せ持ち、チベット語ではSowa Rigpa(ソワリクパ)と呼ばれます。


ホリスティックアプローチ

チベット語のソワは「癒し」や「育成」と訳され、リクパは「科学」と「意識」を意味します。したがって、ソワリクパ(略してSorigソリク)は、その両方を含むものと理解することができます。

The Healing Science

癒しの科学

身体、エネルギー、精神の
相対的なバランスと健康をもたらす
医学的知識と実践のシステム

Nurturing the Awareness

気づきの育成

自身の心と宇宙の本質を理解し、
絶対的なバランスと解放を
達成するためのツール

チベット医学は、私たちの生活と活動の基礎として、健康と長寿という「2つの花」を育てます。これらの花から、結果として「3つの果実」が育つのです。

チベット医学では、病気の原因は身体だけにとどまらず、心や感情、さらにはカルマや環境といった多層的な要因にあると捉えられています。

ウェル・ビーイングにおける、身体的、エネルギー的、精神的、霊的な側面を含むチベット伝統医学は、他の医療システムとは異なる、ホリスティックなアプローチで働きかけます。


チベット医学の基礎知識

医学聖典「四部医典」

医聖ユトクによって編纂されたとされる医学聖典「四部医典(ギューシ)」が、チベット医学の理論と実践について記されたテキストで、下記の4部で構成されています。
①根本タントラ(健康と病気の基礎、全体図)
②論説タントラ(解剖学、生理学、診断と治療)
③秘訣タントラ(病理学8大分野の病気と治療法)
④結尾タントラ(実践的な臨床指導)

五大元素と三つの原理

チベット伝統医学では、五大元素(地・水・火・風・空)から生まれた三つのエネルギー要素であるルン(風)・ティパ(火)・ペーケン(地と水)によって、人の身体の成り立ちを見ます。問診等によって、体質と状態が三要素のどれにあたるのかを知り、それに適した治療を施します。

ルン・ディパ・ペーケン

あらゆるものを構成する五大元素(地・水・火・風・空)は、人間の中で三つの動的な原理(エネルギー要素)として現れます。それが、ルン(風)、ティパ(火)、ペーケン(水と土)です。
ルンは「動き」の原理を、ティパは「熱(温める)」の原理を、そしてペーケンは「安定と冷却」の側面を体内で担っています。

この三つの原理がバランスよく保たれているとき、心身ともに健康な状態が保たれます。
しかし、バランスが崩れると、最初はエネルギーの乱れとして現れ、やがて身体的または心理的な不調として表面化し、最悪の場合は病気へとつながることもあります。

チベット医学の病気と健康

チベット医学の視点では、すべての病の根本原因は「無知(無明)」にあると考えられています。
この無知が、人間と自然・環境とのつながりを見失わせ、分離という幻想を生み出すのです。

「私」や「私のもの」という自己意識が芽生えることで、心の三大毒と呼ばれる貪欲(とんよく)・怒り・無知(無明)が生じます。
これらは、ルン・ティパ・ペーケンのバランスを崩す直接的な原因とされています。

さらに、個人の行動や食生活、環境の影響、気候条件などの外的要因も、三つの原理に影響を与えます。
たとえば、寒くて風の強い場所では、身体の中のルン(風のエネルギー)が増加しやすくなります。また、乾燥して暑い地域ではティパ(火のエネルギー)が蓄積しやすく、湿度が高く冷涼な環境ではペーケン(水と土のエネルギー)が増えやすくなります。

チベット医学とその体質論の目的は、この三つの原理(エネルギー要素)のすべてが調和の取れた状態を保つことにあります。

診断と治療法

  • 診断方法:問診、脈診、尿診、眼診、舌診など
  • 治療法:食事と生活習慣指導、植物・鉱物・動物などの数千種類の医薬品、マッサージ、温熱療法、瀉血、薬湯などの外的治療、マントラ、瞑想、呼吸法など

チベット医学セラピー

当サロンではチベット伝統医学(TTM:Traditional Tibetan Medicine)で用いられる外的治療である「ホルメ」と「クニェ」をお受けいただけます。
施術前には問診の他、必要に応じで脈診、舌診、尿診などをさせていただき、必要なセッションの提供と共に、生活習慣へのアドバイスなども致します。(また、ご希望があれば、マンダラやマントラをご紹介させていただくことも可能です。ご希望の方はご予約時にお知らせください)

ホルメ Hormé(モンゴル灸)施術

モンゴル(ホル地方)から伝わったとされる「ホルメ」と呼ばれる温熱療法です。薬草を使った小さなハーブボールを温めたセサミオイルに浸して、全身のルンのポイントをタップしていきます。

基本的には全身のルンを整える施術となるため、脱衣での全身の施術をお勧めいたしますが、お忙しい場合には、特に不調のある場所のみの施術で着衣のままお受けいただくことも可能です。
ご予約時にご希望をお聞かせください。

クニェ Kunye(オイルトリートメント)施術

「クニェ」はチベット医学の経典『四部医典』にも記されている、オイルを用いた全身のトリートメントです。関節や筋肉を動かしながら溜まった不要なものが排出されるのを促し、表面的なものから眠っている不調和までにも強力に働きかけます。身体的なものだけでなく、精神的なものにも有効とされます。

「オイルを塗布」「関節を動かす」「温める」「オイルを取り去る」といったプロセスで全身に施術していきます。
本来、全ての行程で3時間ほどかかる施術ですが、90分や120分のコースでは、全身へのオイルの塗布の後、特に気になる個所を中心に施術させていただきます。
また、着衣のまま頭やお顔周辺のみを施術するクニェ・ヘッド30分のコースもご用意しています。

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